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スマートアラームは、起きやすい瞬間をどう推定する?
スマホの加速度センサーで、寝返りなどの体の動きを測ります。体の動きは浅い眠りで多く、深い眠りで少ないので、予定の前の数分(初期設定は 5 分)のあいだに、体の動きが続いた瞬間に鳴らします。動きがなければ、予定の時刻に鳴ります。レム睡眠とノンレム睡眠は判定しません。
なぜ眠りが浅いときに起こすのか
深い眠りから起こされると、起きた直後のぼんやりした状態(睡眠慣性)が強くなることが知られています1,2。深い眠りは夜の前半に多く出ます。また、大きな体の動きは、眠りの段階が切り替わるときに集まります3。そこで、体が動いた瞬間を、眠りが浅いときの手がかりにします。
ただし、スマートアラームを使うと起きやすくなることを確かめた質の高い研究(無作為化比較試験)は、まだありません。このアプリは効果をうたわず、仕組みと推定の限界を示します。
測るもの
- 体の動き:加速度を 1 秒に 25 回測り、30 秒ごとに、動きの量、動きの山の数、スマホの傾きの変化をまとめます。
- 音の大きさ(任意):マイクを許可した場合だけ、寝返りなどの音の回数を数えます。音声は録音・保存しません。窓の外の車の音のように続く音は、体の動きとみなしません。
- 記録は端末の中に保存します。
眠りの深さの推定
- 30 秒ごとの動きの量を、その人のふだんの動き(これまでの夜と今夜)と比べて、動きの強さにします。センサーの雑音の 3 倍に満たない動きは数えません。
- 柔らかい布団で弱まった小さな動きも、その夜の雑音の幅から見分けて数えます。
- 動きの強さと、前後 5 分に動いた回数から、眠りの深さを推定します。
- スマホの加速度だけでは、睡眠の段階(レム・ノンレム)は区別できません。そのため段階の名前は出さず、深さの目安を連続したグラフで示します。
鳴らす規則
| 起こす時間帯 | 予定の 5 分前から、予定の時刻まで(設定で 0〜15 分)。 |
|---|---|
| 鳴らすとき | 起きかけている(起きている判定が 1 分続いた)とき。直近 4 分に強い動きのまとまりが 2 つあるか、続く動きが 1 つあるとき。寝返りが 1 回だけのときは 90 秒待ち、また動いたら鳴らします。 |
| 鳴らさないとき | 寝ついてから 3 時間は、体の動きを理由に起こしません(深い眠りが多い時間のため)。スマホが床に置かれたときや、計測が途切れたときは、予定の時刻まで待ちます。 |
| 予定の時刻 | 必ず鳴らします。予備のアラーム(iOS 26 以降は OS のアラーム、それより前は通知)も毎晩予約しておくので、「おやすみ」を押し忘れても鳴ります。 |
| 遅らせる設定 | 初期設定はオフです。オンにすると、深く眠っているときは予定の時刻から最大 10 分まで待ちます。 |
分からないこと
- どの朝が本当に浅い眠りだったかは、スマホだけでは確かめられません。
- 起こす時間帯が 5 分と短いので、そのあいだに体が動かず、予定の時刻に鳴る朝も多くあります。
- 医療機器ではありません。病気の診断や治療には使えません。
出典
- Tassi P, Muzet A. Sleep inertia. Sleep Medicine Reviews. 2000;4(4):341–353.
- Hilditch CJ, McHill AW. Sleep inertia: current insights. Nature and Science of Sleep. 2019;11:155–165.
- Aaronson ST, Rashed S, Biber MP, Hobson JA. Brain state and body position: a time-lapse video study of sleep. Archives of General Psychiatry. 1982;39(3):330–335.